パネルディスカッション:
除菌時代における胃癌診療(診断・治療・予防)

公知申請によってH. pylori胃炎が除菌治療の適応疾患として認可され、国民総除菌時代に突入した。除菌治療により胃癌の発症リスクが軽減されることが報告されてはいるものの、除菌治療のみでは、胃癌の発症を100%予防することは困難であり、除菌治療後も継続的な評価が必要となっている。日常臨床の現場で胃癌診療を行う上で、除菌後のみならずH.pylori陰性胃癌の精度の高い内視鏡診断法、適切な治療法の確立、胃癌発症の高危険群の有効的な抽出法や効率的な検診方法の確立、新規バイオマーカーの開発などが重要課題として考えられる。また、除菌治療に加え新たな予防法の開発も期待される。
本パネルディスカッションは、除菌治療が一般臨床の現場で頻用されている中で、胃癌診療における診断・治療・予防の観点から問題点などを見つめ直す必要性が考えられたために企画された。除菌時代における胃癌診療をめぐる問題点を列挙し、多方面から臨床的な問題点を解決すべく、斬新的な報告を期待している。