ワークショップ:
H. pylori基礎研究の新たなる潮流

ヘリコバクター属細菌の基礎研究は、細菌学としての基礎的解析や菌側因子の解析、特にCagA、VacAをはじめとする病原因子の研究は大きな展開を遂げている。また宿主側因子の解析からはH. pyloriが惹起するシグナル伝達異常が明らかとなり、H. pylori感染症の特異性が示されている。さらに臨床病理学的見地からH. pylori感染症は多くの疾患に対する関連性が明らかとなり、我が国においては全除菌時代が到来している。そこで今こそ、ヘリコバクター基礎研究について新たな方向性を考える時期にあると考えた。
ヘリコバクター除菌後にも残存するゲノム・エピゲノム変化、さらに腸上皮化生との関連、難治除菌例の薬剤耐性菌出現の問題、あるいはヘリコバクターピロリ以外のヘリコバクター属と疾患との関連性など多くの部分で未解決だと思われる研究や、さらには先駆的な方法論の応用として、近年進歩の著しい大規模ゲノム解析や幹細胞研究などを題材した研究の本ワークショップへの応募を期待している。
これからの10年を見据えた、あらたな研究の方向性を示すような演題を広く募集する。